さよなら国立劇場│2023年10月末でいったん取り壊し

先週は半蔵門ミュージアムに行って、運慶の大日如来座像にすっかり感銘を受けましたが、今週もお呼ばれで半蔵門にある国立劇場へ。

半蔵門は、私が22歳で社会人になったときの初めての職場があった思い出の街です。

ご近所さんが最高裁判所、国立劇場、警視庁の共済施設という隼町のビルで働いていました。

今日お呼ばれした国立劇場は1966年築だそうですので、もう50年以上経っている建築なのですが、正倉院の校倉造を模したと言われている特長的な外観は存在感があります。

車で桜田門から四谷に抜けるとき、内堀通りあたりで「今日は何をやっているんだろうか」とよくチラチラと見ながら通行してました。

国立劇場は2023年10月末でいったん取り壊し

この国立劇場ですが、今年の10月末をもって建て替えのために取り壊されるそうです。

新しい建築は2029年に、劇場を始めホテルやレストランも入った複合施設として再オープンとのこと。古き良き時代の文化の香漂う名建築も時代の波には勝てないのかあ、と寂しく思います。

国立劇場はギャラリーだった?!

国立劇場の凄い点のひとつに、至るところに美術品が飾られていることが挙げられます。

入ってすぐに平櫛田中が22年の歳月をかけて完成させたと言われている鏡獅子がお出迎えしてくれます。そしてエスカレーターに乗って2Fに上がると日本画ギャラリーがあるホワイエです。

川端龍子、小野竹喬、伊東深水、小倉遊亀、杉山寧、東山魁夷・・・・日本画の巨匠たちの大作がズラリとギャラリーに展示され、前に置かれた椅子にかけてじっくり作品を鑑賞することができ、なんともはや贅沢な空間です。

この作品たちは、建て替え期間中どこに保存されるのでしょうかね。

美術館預けになるとか、この機会に修復するとかなのでしょうか。

食堂もゆったり空間

2Fにある食堂「十八番」もゆったりとした空間です。

広い食堂で、お蕎麦やカレー、松花堂弁当をリーズナブルにいただくことができます。

こちらには洋画の大作が飾られています。

国立劇場は贅沢な楽しい空間でした

国立劇場は、そこここに無料休憩所や食堂や喫茶があり、伝統芸能に関連したグッズやちょっとしたお土産、お弁当を販売している売店があり、とっても楽しい空間でした。

働いている方々もギスギスしてなくて皆優しかった。

そして最後に駐車場のことにも触れましょう。当日のチケットを見せると終了時間までたった500円で駐車することができるのです。なんと平置きです。この東京のど真ん中もど真ん中でそんな贅沢なところありますか。もちろん台数に限りはありますが、たぶん都心で一番安い駐車場ではないかと思いました。

建て替え後はきっと駐車場は間違いなく地下になり、飲食のお値段も倍くらいになるのではないかなあ。トイレも綺麗に改装されているし今のままでもいいのではないか、取り壊すのは勿体ないと思うのですが、私たちには分からない、関係者にとって不自由なところがきっと沢山あるのでしょうね。

この空間にさよならを言うために10月末までにもう一度来ようと思いました。

(ライター晶)

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